新年明けましておめでとうございます。今年も皆さまのご多幸をお祈り申し上げます。
 当会では2019年9月24日、ミャンマーの首都ネピドーにおいて、ミャンマー政府小規模産業局とのMoU(*)延長のための署名式を執り行いました。これまでの成果を認めていただき、木工、織物、竹製品、紅茶、オーガニックコットン、蓮布、植林の7つの支援を、政府公認の活動として続けられることとなりました。
(MoU…Memorandum of Understanding、行政機関など複数の組織間の協力体制についての合意書)
 そのほか2019年後半の取り組みでは、林野庁資金による「ミャンマーの竹製品を対象としたビジネス化可能性調査」を、国際緑化推進センターより受託しました。世界第3位の竹林面積を有すると言われるミャンマー各地を縦横無尽に動きながら、竹製品の主な名産地を調査しています。なかでもシャン州では、竹カゴ編みの高い技術をもつ人々と出会い、輸出向けの新しいデザインで、カゴ類のテスト生産を開始しました。
 ミャンマーには、良質な素材と、それを活かした地域産品があります。そして日本には、優れたものづくりの技術と経験があります。この2つを組み合わせることで、世界に通用する名産品を生み出し、地域産業の育成を目指す。これが、私たちが取り組むミャンマー版の一村一品活動です。
 地域産品のブランド化は地域の魅力の再発見につながり、海外市場を意識した付加価値の高い製品づくりは、マーケティング、デザイン研究、品質管理など、技術の習得につながります。ミャンマーで人材育成を行い、現地の人々自身の力で地域発展のサイクルが持続していくことが重要と考えています。
活動を開始した2005年当時は、組織も資金も経験も、十分なものではありませんでした。地道に精いっぱい挑戦することで、周囲の方々から温かい協力をいただいてきました。ものづくりの技術については、日本の工芸品専門店の方々からのご指導で、良い製品が少しずつ生み出せるようになりました。ミャンマーでも、ラタン・竹事業者協会など、多様なアクターとの連携を深めています。
そして2020年。私たちが注力する活動は、
1)ヨーロッパ市場開拓、
2)世界最長の竹の調査と商品開発、
3)ミャンマー政府との連携強化、
4)バゴー市での木工産業育成の定着と他地域への展開準備、
5)ミャンマーの隠れた産品の新規開拓、です。
現代ミャンマーの発展に貢献できるよう、目標に向かって全員で挑戦していきます!
新潟本部マネージャー 大場 寛之
MoUに署名する理事長 斎藤秀一(写真左)
シャン州域の峰々と線状に広がる集落。
竹カゴを編む女性。1人1日で5個編み上げる。

 

世界最長の竹の調査の一コマ
できたばかりの試作品。ミャンマー人スタッフと。
紫檀、黒檀と並ぶ銘木タガヤサンの巨木。直径約1.5m!