【参考情報です】

『長崎の鐘」永井隆著 アルバ文庫 609円
 8月の長崎は暑かった。水が飲みたい。長崎大学で開催された地盤工学会の研究会で「世界の自然災害について考える」という題目で講演させていただいた。私はこの中で自然災害と環境問題の関係を論じたが、”最大の環境破壊は、今なお、やむことのない戦争である”とむすんだ。
 1945年8月9日は長崎に原子爆弾が投下された日である。著者、永井隆博士は当時、長崎医科大学の先生で自ら被爆しながら、多数の被爆患者を献身的に治療したことで知られている。
 この本は医者の立場から見た、原子爆弾の実相を訴える生きた記録である。爆風により破壊され一本足で立っている山王神社の鳥居と、1ヶ月前に調査した新潟県中越沖地震で被災した柏崎市の神社の鳥居の光景が重なった。地震は止めることはできないが、戦争は人間の心がけしだいで止めることができる。
 学生時代に読んだこの本を一気に読み直してみて戦争のみじめさと平和の尊さを改めて感じ取ることができた。

青山清道(あおやまきよみち)/災害復興科学センター
にいがたNGOネットワーク理事