昨年6月に長逝されたネパール・ムスタン地域開発協力協会理事長故近藤亨氏は、その
著書『ムスタン爺さまの戯言』で、「私の長い人生経験から、友情があれば道は必ず開け
るに違いないと確信すると共に、これがまた奉仕活動の道にも通ずるものであると思う。」
と語っておられます。氏の協会はNネットの団体会員でもありました。
  私たちは大きく変化しつつある時代のただ中にあって、氏の言葉をもう一度反芻しなければならないでしょう。
 氏が語る「友情」という「他者への慈しみの心」を思うとき、私は長野県上田市にある無言館を思い出します。そこには戦没画学生が出征前に描いた家族や恋人等の絵が数多く展示されています。かつて館長の窪島誠一郎氏にお話を伺ったとき、「一人でも心から愛する人を持ってほしい」とおっしゃった言葉が今も胸に響きます。人は大切な人のために生きるのだということです。
 どのような時代にあっても「慈しみの心」が、生きること、行動することの原点であることを、無言館の絵や近藤亨氏の言葉が私に教えてくれます。そして、私はNネットの仲間にそうした心を感じます。
 そのような会員や活動に賛同してくださる団体・個人のお力で、2016年のNネットとしての活動は、これまで以上に充実したものとなりました。詳細は、本誌の特集記事等をご覧いただきたいと存じます。
 大きく変化し続ける昨今の国際情勢を鑑みるに、2017年がどのような年になるのかは、きわめて予測し難いところです。しかし、いかなる状況にあろうとも、前述の「原点」を活動の支柱として、会員相互の絆を深めるとともに国際協力に携わる方々の拠り所となるようなNネットを築いて行きたいと願っています。
                            Nネット理事長 荒 幸男