「まちづくり学校」というNPO法人が新潟市の青山にあります。2001年の発足以来ずっと関わっている団体なのですが、県内で先駆的にまちづくりに取り組む人々が経験やノウハウを持ち寄り、市民が主体となったまちづくりのための人材育成を中心とした活動に取り組んでいます。
 3年ほど前の話になりますが、そのまちづくり学校で、三重県に本部を置くある財団からの依頼により、ASEAN9か国の若手リーダー18人を対象にまちづくりの研修をさせていただいたことがありました。まちづくりを進める上で私たちが基本としている「未来デザイン」という考え方を中心に、これまで実践してきた事例を紹介し、彼ら自身にも自分たちの故郷をモデルとしたまちづくり計画を策定する演習に取り組んでもらいました。こうした機会は全く初めてでしたので、当初は上手く伝わるか不安な面もあったのですが、始めてみたらとてもよく理解していただき、約2ヶ月の研修の最後には9か国全てで立派な計画が完成しました。
 現在、開発途上国の多くは(かつての日本のように)まだ政府がまちづくりにおいて主導的な役割を果たしているところがほとんどだと思いますが、この時の経験を糧に、いつか新潟流のまちづくりのノウハウをそうした国々のまちづくりに生かす橋渡しができたらいいな、と妄想を膨らませています。
新潟国際ボランティアセンター(NVC)金子洋二
情報掲載: