ミャンマーでは例年通り6月中旬からインフルエンザシーズンが始まりましたが、7月中旬にヤンゴンを中心にA型インフルエンザ(A/H1N1pdm)の大流行が発生しました。死者も出た事から色々な噂がSNSを通じて広まり、人々がパニック状態に陥りました。WHOはこのウイルスは単なる季節性インフルエンザで、病原性が強くなったわけではないとの見解を出し、政府も不安解消に努めました。しかし、ヤンゴンではマスクが店から姿を消し、連日死者数が報道されました。本会は7月末にサンピュア病院などにマスク4000枚を郵送し、8月初旬にはタミフル100人分を新潟大学ミャンマープロジェクトの渡部久実教授に届けてもらいました(写真1)。支援物資としては少量ですが、早く対応できたのはよかったと思います。まもなく、社会不安は解消しました。

 

写真1 サンピュア病院長(左)にタミフルの寄贈。

 

 5月から7月にかけてヤンゴン第二医科大学のメイ(May Ei Aung)先生が来日し、私の勤務する新潟医療センターで病理学の研究をしました(図2)。持参した検体について大量の免疫染色とPCRを行い(図3)、短期間で成果をあげて帰国しました。私は10年前からヤンゴン第二医科大学に20台の顕微鏡を届けたのですが、ランプが切れて使用できない状況になっていることを彼女から聞きました。古い顕微鏡なので、ミャンマーではそれに合うランプを入手できないとのことです。日本国内ではまだ販売していますので、持ち帰ってもらいました。支援後の情報をきちんと得てフォローアップすることが大事であることを学びました。12月になってメイ先生から学位申請が終わり、合格したと電話が来ました。あまりの早さに驚きましたが、おめでたいことです。来年早々にヤンゴンに行く予定ですが、その時お祝いできるのが楽しみです。

 

写真2 新潟医療センターでのメイ先生(左端) 写真3 研究に没頭するメイ先生

 

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