にいがたNGOネットワーク 10周年総会記念講演に寄せて

「つながる だれかがそばにいてくれるとうれしいなと想う時間 臨床心理学から地域社会へのインクルージョン」

 

 

 

610()にクロスパル新潟において、にいがたNGOネットワークの10周年総会記念講演で、「つながる〜だれかがそばにいてくれるとうれしいなと想える時間」をテーマに、アメリカ合衆国の障がい者の定義「ピープル・ファースト 障がい者である前に人間である」

という形の障がい者支援を、提案させていただきました。そのなかで「車いすダンス」という障がい者スポーツを、人と人とがつながる1つの「鍵」として紹介させていただきました。

国際協力の原点である「人間力」「自分力」をもとに、障がいをもっても、その人にふさわしい、その人らしい生活や、生き方を再び、取り戻すこと、楽しい作業、自分でやってみたい活動を、やりたいと心から想うと心が働き始め、身体が動き出すと言われています。

 

人は、1人では、寂しい、人の輪の中にあって、「生きているっていいな、楽しいな」と実感できるし、人と手や心を繋ぎ合う感動を重ねることで、感動を共に織りなすことができ、幸せをもたらすことができることと思います。これは、国内外問わず、共通することだと考えます。

 

相手の可能性をもたらすことや、幸せをもたらすことなどの感動によって心が揺れ動き、自身の身体が働くことにつながることと思います。

 

障がい者のスポーツとしてのリハビリテーション効果を追求して、障がいのある人、障がいのない人の境を外し、ノーマライゼーションを確立させられる運動を目的に、車いすダンスができた。

 

国内外での車いすダンスの普及にともない、医学・看護・スポーツなど多くの領域から研究され、障がい者に良い影響を与えることが報告されています。

 

しかし、心理面での研究は、ほとんど報告されていません。特に、障がい者は障がいを負ったことで、心理的に深いダメージを負い、社会生活に復帰することが困難だと言われています。社会への復帰を目指すためには、身体的機能と心理的機能の両方の回復が必要と考えられています。また、障がい者を支える家族にも心理的な支えが必要であると言われています。

 

今回の研究では、A夫妻を対象とし、質問紙法を用い、障がいを負った直後から現在までの心理的健康変化と車いすダンスがA夫妻にどのような影響を与えたのか音楽療法や障がい者心理学の視点から考察を行いました。

A氏は、障がいを負ったことで、不安や絶望に襲われ、自己概念を歪め、自分の存在価値を低下させていったようでありました。

その結果、障がい者となった自分を受け入れることが困難になり、そのため、たまった不満や怒りを家族に向けて、放出することがたびたび起こりました。妻は、この状況を変えるため、A氏が興味を持ちそうなものを探し、車いすダンスを知りました。夫妻は、以前社交ダンスを習っていたので、車いすでも、社交ダンスを踊れることに関心を示し、参加するに至りました。車いすダンスを始めた当初、A氏は、無表情で消極的であったが、参加するたびに積極的になっていきました。新しい仲間や環境に触れたことで、心理的な安定や再起への意欲が高まったと思われます。

また、妻にとっても車いすダンス生きがいとなり、A氏が障がいを負ったときよりも気持ちが安定してきて物事を前向きに捉えられるようになりました。

車いすダンスを通じて、夫妻は生きがいや楽しみを見つけることができ、その結果、心理的身体的に良い影響があったと思われます。

このように、車いすダンスは障がい者も健常者も同等の立場でダンスを楽しみ、音楽に合わせて身体を動かすことで、内部機能や外部機能の働きが良くなり互いに健康な身体を作ることができる身体的効果と音楽やダンスといった芸術的な面が心を癒やす心理的効果を持っている事が分かりました。

 

この障がい者支援を通し、生命ある限り、生き続ける自分でありたいというエネルギーをKeepingしていく大切さを発信していくことを、国内外問わず発信していきたいと思います。

多様性の中で、助けられる存在から社会を変えていく存在へという役割転換のひとつひとつが、目に見える存在としているということは、それが実現できるということの事実に他なりません。

 

NPO法人 ジャパンパラダンススポーツ協会

日本車いすダンススポーツ連盟 新潟県支部

小林 香織

 

情報掲載:

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2018.06.29 Friday 19:54 | にいがたNGOネットワーク | - | -