年末年始に飛び込んできたニュースの人物に、無欲てんたん恬淡な人生と貪欲りんしよく吝嗇な人生の対照的な姿を見ました。前者はボランティア活動に命を捧げた中村哲医師です。後者はそれぞれのご想像におまかせしたいと思います。
  無欲恬淡と似た言葉に「清貧」があります。これは決して貧しさを称賛するものではなく、「質素でも豊かな心を持って生きること」と理解しています。その姿は、ボランティアに携わる方々の共通の思いと言って良いでしょう。
  Nネットは、昨年10月27日にフェアトレードフェスティバルを開催いたしました。自立支援と、貧困からの脱出を図るフェアトレードの活動は、共生を願う私たち自身の在り方生き方をも問うものだと思っています。
  フェアトレードのみならず教育・医療・スポーツ・芸術等をとおして、さまざまな形で国際協力に携わる会員の皆様をはじめボランティアを志す方々の豊かな心が、世界の中でなお一層輝きを増すことを信じてやみません。

                      理事長  荒 幸男