雨季真っ盛りの9月、タイ王国の首都バンコクで札幌ドナー連絡会世話人の山本夏江氏と共に民際センター発祥の地でもあるウドンタニーへ向かいました。静岡ドナー連絡会世話人・畑寛和氏と高校時代のバレーボール部活動で繋がった全国の大学生7名と合流するためです。学生にはNネットより研修補助金を頂いた新潟大学法学部の渡邉将大くんも加わっています。合流後、ウドンより更に車で2時間のパーンコン職業技術専門学校を目指します。そこで更に協力者の先生がたと合流。車に満杯の日本で集めた中古バレーボール用具類の整理し、滞在中に訪問する10中学校のリストに従って寄贈する用具類を分類します【写真1】。訪問先のそれぞれの中学校では、中古バレーボール用具の寄贈と歓迎セレモニー、また学生同士のバレーボール交流が計画されました。また、各中学校でのダル二—奨学生の現状調査が含まれています【写真2】。更に今回の研修では、初めて選抜現地高校生バレーボールチームとの親善試合が組まれていました。訪問した学校での熱烈な歓迎には同行した大学生たちも驚いたようですが、当初の緊張は次第に緩み、中学生とのバレーボール交流も楽しみました【写真3】。研修終盤に計画されていた国際親善試合では、地元TV局が取材に来たこともあり、緊張したのか試合前半部は苦戦します。しかし、さすが後半は実力発揮、盛り返して競り勝ちました。ギャラリーには数百人の学生たちが押し寄せ、賑やかな親善試合となりました。訪問した中学校には規模にもよりますが、各校で数名の奨学生が紹介されました。彼らの状況を調べ、静岡ドナー連絡会の畑氏の2名の奨学生については家庭訪問も行いました。来年度に中学を卒業する女の子の家では弟とお爺さんの3人暮らしでした【写真4】。歓迎会では民族衣装で踊りを披露してくれた彼女ですが、進学は経済的に諦めていました。中学校奨学金支援者の畑氏と面談の場で「進学したいですか?」と彼が尋ねます。「職業専門学校に進みたいけれど・・・」今の家庭状況では確かに無理があります。短い沈黙の後、畑氏が語りかけます「その経費を私が個人的に支援しますよ」彼女は驚いて顔を上げました。お爺さんの了承を頂き、その場で彼女の進学希望が叶いました。居合わせた親類の方々と私が約束の証人になりました。東北タイでは、中学卒業後に職業専門学校へ進学する子どもたちが増えています。卒業後に職を得やすく、家計の助けにもつながるのがその理由のようです。民際センターでもそのような場合の奨学金をスタートさせています。別れ際、畑氏の胸に飛び込んだ彼女の明るい前途を願わずにはいられませんでした。
(公財)民際センター     赤石 隆夫