ミャンマークラフト支援会の会報より、2012年1月7日から15日まで、にいがたNGOネットワークとミャンマークラフト支援会共催で実施したスタディー・ツアーについて、参加者の飯田さんによる旅行記と写真を中心に報告します。

<ミャンマークラフト支援とフェアートレード>


初めてのミャンマーちょっぴり緊張して入国審査


庶民の台所、市場視察ナイトマーケット

マンダレーの市場で材料を買い込んで懇親会の料理にしました。



庶民の足、サイカーでツアー(乗り合い自転車)


スーチーさんの自宅へ行ってきました (中には入れません)

ミャンマーの伝統産業は天然資源の加工産業です。
チーク、紫檀、黒檀、鉄刀木(タガヤサン)、花梨のコブ、ローズウッド、などの木工製品、金箔、漆器の製品、ルビー、サファイヤ、ヒスイなどのジュエリー、白大理石の仏像彫刻、金、銀の細工物、白蝶貝の細工物、草木染で染色した絹織物、綿織物など繊細な技術を駆使した伝統工芸品など多数販売されているのを見ました。そして、ほとんどが手作業で仕上げられていて、従事している職人人口は、信じられないほど多数であろうと想像できました。



木工工房




木工工房での打ち合わせ


サウンダー織物学校




金箔工房で

日本の海外支援活動の一つとしての、ミャンマークラフト支援会の活動を考えてみました。
以前より、ミャンマークラフト支援会は、一村一品の生産活動を、人道的な支援活動の範疇に留まる事無く、どのように展開するべきかを、検討、実践、検証して発展させてきたと考えられます。
「如何に価値のある商品を生産し、市場での評価を向上させ、販売し、生産者に還元できるか。結果として生産者の自立を促すこと」を海外支援活動の重要な視点として、取り組んできたのでしょう。
この観点は、通常のフェアートレードを一歩進めたものではないかと考えます。
製品を買い取るだけでなく、さらに、より売れる商品になるよう品質を高め、売り上げを伸ばし、利益を製造者に還元する事が重要なのです。消費者の購買があって、初めて製造が継続でき、製造者の自立を促し、支援活動も継続発展できるのです。


地元NGOとオーガニックコットンについての打ち合わせ

バカンから車で3時間、河川敷での綿畑


コットン栽培の現地技術指導員



マンダレーYMCA様と交流



YMCA保育園で

では、商品の販売ターゲットをどこに置くのでしょうか。
むろん、「日本を含む先進国」である。同等類似商品より明らかに値打ちであると認められたり    或いは、圧倒的な価値を認めて購入する消費者が存在するからです。
ここで問題になる課題は、材質の良さは無論ですが、消費者の購買意欲をそそる繊細な仕上げ、
機能性とデザインが必須条件になると考えます。
特にデザイン性は美意識の価値観に大きく影響されます。
美に対する価値感が表現方法を作り上げます。これは、民族性や宗教観、歴史観などにより
作り上げられたものであり、それぞれ独自の発展の集大成です。
何を美しいと感じ、何を機能的と感じるかは、その生活に根ざしたものに違いありません。
同一生活パターンの人たちの間であれば、共通の価値観で評価されることは容易に想像できます。
しかし、他の民族、生活環境の人々に対しても、同様の感動、価値観を与えられるかは、甚だ疑問です。
結局のところ、日本人をターゲットにするには、日本の美意識、価値観にあったデザイン、機能性を追求した製品モデルを作成しなければならないと思います。これは日本人でなければできない課題です。
今回の旅行でこの様な視点から具体的な事例について感じたことを述べたいと思います。

<サウンダー織物学校及び関連工房について>
ミャンマー最古の織物学校だけに非常に雰囲気があり、洗練されたデザインの展示館が最初に迎えてくれました。
金沢美工大の先生のデザインと知って、日本との深い繋がりが過去に存在したと解りました。
学校での勉学内容は、糸紡ぎから機織り、染色、刺繍まですべてが手作業で精密繊細で、品質が高く、しかも非常に価格が安いことに驚かされました。しかし、現地のデザイン、図柄が、私の感覚的には、ちょっと違和感がありました。
一方関連工房で、手紬ぎの絹糸を手織り、草木染した柄無しショールを購入したが、とても品質が良く、こんなに安くて良いのかと思うほどで、トータルでは大変気に入り愛用しています。
<漆器>
バガン近郊の漆器商を2か所訪問し、数点を購入し、工房の見学もさせてもらいました。
日本の漆器と比較して、漆の質が異なり、厚みがあり生地の良さを生かし切れていないと感じました。

<農業とオーガニックコットン>
バガンから車で3時間ほどのタンニャオ村近郊のナチュラルコットンの4ha実験綿花畑を訪れました。
このあたりでは、三毛作(米を2回、間に豆等を栽培)が行われているそうです。雨季にはエーヤワディー川上流部が氾濫して肥沃な土壌となります。これは、かつてのエジプトのナイル川支流と類似しています。
高品質の種子を入手できれば、有機栽培による優良な綿花栽培とオーガニックコットン栽培の可能性を強く感じました。

飯田典夫

 
ミャンマー漆器の躯体は竹(籃胎漆器)
そこへ彫り込んで模様を出す手法が有名です。
生産量は日本に匹敵するのでは?


バカン最大の漆器店オーナー
マンマン氏
彼とは漆の植林で協力しています


世界3大仏教遺跡のバカン。アンコールワットを凌ぐとも言われる観光資源です。
これから日本でブレークの予感


マンダレーで協力団体の方々と懇親会



サウンダー縫物教室
2010−2011年の2年間、支援して教室を立上ました。
今は自分達で自立運営しています。
大阪から1000枚の注文もあり、腕を磨いています



ヤンゴンの協力者の人達と


世界一の涅槃像シェッタリアン寺院(バゴー)


さよならパーティ


世界一のパゴダ ヤンゴン・シェッタゴンパゴダ


ヤンゴンの日本人墓地




太平洋戦争のビルマ戦線は新発田、高田連隊の方々含め日本軍15万人が亡くなった激戦地です。



僧院の語学学校、昔は日本大使館やJETROのスタッフもここでボランティアで教えていました。まさに寺子屋です。
 
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