✧2015年5月24日、サイクロン災害を乗り越え、学校給食棟・設備が完了
   

     
     

✧5月24日、窓にはガラスの窓枠が嵌められ、風の日は、ほこりも入らず、サイクロンでも雨が吹き込まず、清潔な環境で食事が出来るようになりました。
     
     
✧明るくクリーンな学校給食棟は、調理室と食堂が連結しています。子どもたちは、カウンターでトレーを受け取ります。太陽光発電、給食棟専用の井戸掘削、テーブル・いす、調理用具や食器も整備し、給食は6月から始まりました。

 
 日本を遠く離れたインドの辺地にある、現地NGOと共同で始めた、家なき子らの自立支援センター「子どもの憩いの村」の建設・運営は、2015年で13年を経過する。その間、一合目、二合目と踏みしめながら登る登山のように、少しずつ施設・設備を整備してきた。それは、子どもたちの生活を丸ごと支えようとする死に物狂いの活動であり、幾多の挫折をかいくぐっての成果といえる。
 2013年4月から始めた、建物としては最後となる学校給食棟建設であった。しかし、10月に襲ったサイクロンで、建物は壊れ、資材は飛散し、その復帰や施設・設備の整備に関しては、現地NGOの並々ならぬ努力があった。私どもも緊急支援金6,600$を送金、激励し続けた。荒れ果てた敷地の整備、農園の復活には、子どもたちも協力した。2015年5月には、給食用の井戸や太陽光発電設備が完成した。学校給食プロジェクトの最終段階の農園の整備は、現在も着々と進められ、無農薬、有機肥料による食材の70%を供給するまでになった。
 「食育」は、教育の3本柱となる、知育、徳育、そして体育の、いわば土台とも位置づけられる。栄養豊かな美味しい食事の提供は、子どもたちの体や脳の成長のみならず、精神を安定させ、心豊かな生活を保障する。周辺の貧しい農村には、昼食の用意もままならぬがゆえに通学させることを断念する家庭も多い。日本では、義務教育ではごく当然である学校給食であるが、学校給食の普及が遅れていた60年前ごろまでは、弁当を持たせることが容易でない家庭も多く、子どもたちの体格も体力も現在より格段に劣っていた。
 以上のことから、学校給食は、学校教育と社会事情の両面のために重要不可欠である。今後さらに、農業や食生活の改善は、保護者・住民にも広く啓発していこうと考えている。また、清潔に配慮し、テーブルでいすに腰掛けて食べる、世界に通用するマナーも身につけさせたい。インドでも、スプーンやフォークで食事することが当たり前になる時代が、もう眼前に迫っているのである。


教育と環境の「爽」企画室 代表 片桐和子

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